あんきも日記~Anime&Kitchen&Money~

オタシェフの雑記ブログ

進撃の巨人完結編考察〜リヴァイが言った「心臓を捧げよ」の意味〜

 

この秋にようやく完結を迎えるアニメ 「進撃の巨人」… ネタバレに怯えながら 10年以上追いかけてきました🤣 今回の完結編、アマプラでは何故か3分割で アップされていたので、 てっきりまた1クール分始まるのかなと 勘違いしてました😅

 

前編で1時間なら後編も1時間かな… 

 なんでこんなところでシーズン分けたんだよw 
 劇場で最終回やるつもりだったの? 
 さて、進撃の巨人完結編(前編)ですが、
 感想と考察を少々… 
 
以下進撃の巨人完結編〜前編〜までの 
 ネタバレ含みます。 
まだ見てない人はご注意下さい。
 
本文中の画像は全て
©諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会
からの引用です
 
 
 
 
 
 
まぁ、今回が事実上の最終回でしたね😂 
 リヴァイがハンジに言った 「心臓を捧げよ」
 
 
 
このシーンについては様々な考察がありますが、
この一言にこれまでの物語が 
 全て詰まっていたと言っても
 過言ではないです。
 

 
 
 
何故リヴァイは捨て石になる覚悟を決めたハンジに 自分が今まで使ったことのない言葉 「心臓を捧げよ」 を贈ったのでしょうか?
 
 
 
 
 
それはハンジが
この戦いをここで降りたいと願ったから
です。
 

 
 
 解説します。
 この少し前に物語は大きな山場を迎え、 
 復讐の連鎖に疲弊し、
傷付いた敵と味方が 手を取り合うという場面が
描かれました。 
 バトル漫画の終盤によくあるパターン 
 いわゆるドリームチームの結成です。 
 ここに至るまでの描写は 
 凄まじいものがありました…。 
 しかし、敵と手を取り合い最初に行ったのは 
 
かつて味方だった人間を殺すこと 
 
 でした。 自ら選択した後味の悪い展開を 
 「人類のため」と言い聞かせて前に進みます。 
 
 1度めはライナー達が壁を破った時 (襲撃) 
 2度めはエレン達がマーレを襲撃した時 (復讐) 
 3度めは今回の地ならしをめぐる仲間割れ (対立)
 
「人を助けるために人を殺す」 
 
 という愚かな行為を再び繰り返しました。
 この事実はハンジたちの心に重くのしかかります。
 ここで戦いの虚しさに耐えきれなくなった 
 アニが離脱 アニはアルミンの気持ちを知り、 
 最後くらいは一人の女性として穏やかな気持ちで 
 終わりを迎えたいと願ったのです。 
 
 ハンジ達はアニの意思を尊重します。 
 離脱するアニを見送るとき、 
 ハンジはリヴァイに対してこう漏らします。 
 「今の自分を死んだ仲間たちに誇れるか?」と 
 それを聞いたリヴァイは 
 「ヤツみてえなこと言ってんじゃねえよ」と
 目を伏せます。 
 ヤツとは前団長のエルヴィンの事です。 
 この描写でハンジ達が現状に 
 だいぶまいってる様子がうかがえます。 
 そんな最中、追い打ちをかけるように 
 瀕死のフロックが襲撃してきました。 
 先の激闘でガビに体を撃ち抜かれ 
 海に落ちたフロックは 船にしがみついて
ここまでついてきたのです。 
 

 
 劇中の地図の寸尺から察するに 
 福岡〜上海ぐらいの距離がありそうでしたが😂 
 ミカサの容赦ない一撃で返り討ちにあった 
 フロックは最後の力を振り絞って 
 ハンジ達に懇願します。
 
 
 行かないでくれ… 島の…みんな…殺される… 
 俺…たちの…悪魔…それだけが… 希…望… 
 
フロックはこれまで 
 地ならしでの虐殺を正当化したり、 
 新生エルディアのリーダーの如く振る舞ったりと 
 視聴者にイェーガー派に対しての嫌悪感を与える 
 ような役割でしたが、 エレンを神ではなく
俺達の悪魔と呼んだことで 
 フロック自身もまた 誰かを救うために誰かを殺す 
 そんな戦いに身を投じた一人だったことを 
 ハンジは悟ります。 フロックとエレン、 
 同じ思いで同じ行動を起こした2人 
 片方は全てをかけて助けようとして 
 片方は敵として殺す 
 両者の扱いを分けたのは結局 個人的感情である
という事実が ハンジに突き刺さります。 
 フロックの凄まじいまでの執念に
彼の強い思いを感じとったハンジは
既に亡くなった彼に対して こう言います。 
 君の言ってることは正しい 
 でも自分の思いは諦めることはできない 
 いつの日か…と口にしたときのこの表情は 
 この愚かな流れを繰り返す人間の性を 
 悟ったようでした。 
 
 いつの日かなんて来ないことを…
 
 
 
 
 フロックの襲撃で破損した飛空艇を修理する最中 
 地ならしがすぐそこまで迫ってきました。 
 時間を稼ぐためハンジは 
 ここで捨て石になる事を選びます。 
 ケジメをつける。 
 そう言いアルミンを次の団長に任命します。 
 これは戦いをここで降りることの 
 ケジメでもありました。 
 ここで捨て石になるのは 
 ジャンでもコニーでも リヴァイでも
よかったはずです。 
 止めようとするリヴァイに
 
 
 
 
 このまま行かせてくれと懇願するハンジ 
 仲間を殺してきた罪の意識 
 自分を尊重して戦いを降りたアニの行動 
 フロックによって気付かされた自らの矛盾 
 
もうここで降りたい… 最後は調査兵団として 
皆と同じように 何かに殉じて死にたい… 
死んでいった仲間たちに自分を誇りたい!
 
原作の漫画だとわからないかもしれませんが、 
 
ハンジ役の朴璐美さんが
声を震わせる演技をする時はハンジが
自分の興味や欲求を優先する時です。 
 
 つまり、
 
「ようやく来たって感じだ、私の番が」 
「今、最高にカッコつけたい気分なんだよ」 
 
 というセリフは 
 死を恐れて虚勢を張ってるわけではなく、 
 ハンジの心の底からの欲求なのです。 
 
 自分の欲求を満たすために戦いを降りる… 
 ハンジの本心を察したリヴァイはこの時 
 間違いなくエルヴィンの事を重ねたでしょう。 
 地下室に行かせてくれと懇願したエルヴィンに 
 夢を諦めて死ねと決断を下した事を。 
 
 あの時は壁の向こうに希望がありました。 
 だからエルヴィンに人類の為に死んでくれと 
 せまったのです。 
 ところが壁の外の真実はあまりにも残酷で 
 今までの全てが無意味だった事を知りました。
 
「心臓を捧げよ」と命を投げ出してきたすべてが 
とんだ茶番だったのです。 
 
 こんな事ならエルヴィンに見せてやれば良かった… 
 リヴァイはあの時の選択を後悔したでしょう。 
 そんな絶望の末に今度はハンジが 
 戦いを降りたいと懇願してきました。 
 
 リヴァイは再び決断を迫られたのです。 
 しばらく考えて何かを決意したように目を光らせ 
 ハンジの胸を叩き、こう言います。
 
「心臓を捧げよ」と 
 
 リヴァイは選びました、
 ハンジを止めないことを。
この選択はエルヴィンの時と対比になっていて、 
 
戦いを降りたいという2人の願望に対して 
エルヴィンの願望は通さず 
ハンジの願望は通しました 
 
 ただ、どちらの選択も 
友を捨て石として死なせる 
という悲しい決断でした…。 
 かつてリヴァイがエレンに言い放った言葉が 
 ここで返ってきます…。 
 
「俺には分からない ずっとそうだ…」 
「自分の力を信じても…  
信頼に足る仲間の選択を信じても…  
結果は誰にも分からなかった…」 
だから…まぁせいぜい…  
悔いが残らない方を自分で選べ 
 
 リヴァイのこの台詞の後、 
 エレンを含む登場人物達は 
 いつも決断を迫られてきました。 
 
その決断に悩みもがき苦しむことこそが、
この「進撃の巨人」のテーマそのものなのです。
 
リヴァイのこの決断が意外だったのか、 
 ハンジは一瞬目を見開きます。 
 しかしすぐに全てを察したように沈黙したあと 
 リヴァイを茶化します。 
 ハンジの言う通りリヴァイが
「心臓を捧げよ」と 言ったのは初めての事です。
 リヴァイは兵長として部下の命を預かる身でした。
 失った命も後悔も数え切れません… 
 ゆえに何かのために盲信的に死んでいくことを 
 賛美するその台詞を吐くことが出来なかったのです。 そんなリヴァイがここにきて言い放った 
 
「心臓を捧げよ」には 
2つの意味が込められています。
 
1つは最後は調査兵団として殉死したいと願った 
ハンジへの最大限の激励。 
多くの仲間が心臓を捧げて散っていった事 
同じように散りたいと願うハンジの 
心意気を汲んで言葉にしました。 
 
もう1つはここまでの選択を間違え
後悔を重ねた 自分自身への最大限の皮肉。 
心臓を捧げた全てが茶番だったという事 
自分の下した決断の後悔と虚しさを 
今まで受け入れられなかった言葉に乗せたのです。 
 
 そしてリヴァイはこの時もう1つ決断をしました。 
 
 それはハンジがそう決断したように 
 自分自身も己の願望を遂げるという決意です。 
 リヴァイの願望とは 獣の巨人を仕留める事 
 これはエルヴィンを死なせたときに
彼と交わした約束でもあります。 
 リヴァイはこの決意もこめて 
 
今までとんだ茶番だったな… 
まぁ、最後ぐらいお互いに本懐を遂げようや
 
と、ハンジの胸を叩いたのです。 リヴァイに背中を押されたハンジは 地ならしの前に飛び出して行きます。
 
 
 
その顔に笑みを浮かべながら… 
 ここからのハンジの戦いは凄まじかったですね
 
リヴァイたちは空へ上がることができました。 
 ハンジを失った悲しみに打ちひしがれながら 
 夕暮れの空を飛ぶ飛空艇。 
 リヴァイは一言漏らします。
 
 
 「あばよハンジ…」と。 
 
 シーンが変わって 清々しい青空の下
ハンジは目覚めます。 「飛空艇は!?」と
慌てるハンジに 死んだはずのエルヴィンが
「飛び立ったよ」と 声をかけ
ハンジを引き起こします。 このシーン、 
 ハンジがあの世で死んだ仲間に会えた 
 わけではなく、燃え尽きる瞬間に 
 飛び立った飛空艇を確認し、 
 自分の思う最後を遂げる事が出来た 
 ハンジの幻想です。 
 澄み渡った青い空にカメラがきれていくシーンは 
 
今までの「進撃の巨人」のなかで 
 唯一救いのある描写 
 
 だったのではないでしょうか。 
 死にゆく本人のただの夢であるという現実は 
 正直おもいですけど…。 
 
 
 エレンの元へ向かう飛空艇の中でリヴァイは 皆にこう言います。 「ジークは…俺がしとめる」「力を貸してくれ」と… 
まさかあのリヴァイが皆に協力を仰ぐとは… 
 これはリヴァイが、 
 エルヴィンやハンジと同じように
大きな目的よりも 自分の欲求を優先している
という描写です。 
 
獣の巨人にとどめを刺し 
ルヴィンとの約束を果たしたい 
 
という願望を。 
 リヴァイの目的が結果的にエレンを止めるという 
 皆の目的につながってるので、 
 分かりにくいかもしれませんが、 
 ハンジのときと同じで獣にとどめを刺すのは 
 他の誰でもいいわけです。 
 
 リヴァイの要請を快く了承するメンバーたち。 
 その後船内では再び懺悔大会が始まります…。 
 コニーは自分達のやって来たことが 
 どうしても許せず涙を浮かべます。
 敵だったライナーと互いに互いを許し合いますが、
 奪ってきた命に対する罪の意識が 
 消えることはありません。
 
 せめて残りの人類を救う… 
 そう言い聞かせて前に進むのでした。 
 
 異形となったエレンに辿り着いたリヴァイたちは 
 それぞれの想いを胸に降下を始めます 
 そこには獣の巨人が待ちかまえてました…。
 
 そして後編へつづくというわけです。 
 リヴァイの「心臓を捧げよ」の意味 
 おわかりいただけたでしょうか? 
 この先、あとはエレンとの対決だけです。
 
結果がどうなろうと、もうハッピーエンドだけは
ありえないでしょうね…
 
これまでの後悔、 これからの絶望、 
 その全てが 「心臓を捧げよ」の一言に
 込められてました。 
 
 私は原作を読んでないので、
ストーリーはここまでしか知りませんが、
 
今までの伏線から主人公たちはループに陥る
可能性が高いですよね…😅
 
 
だとすれば、私的には伝説のホラーゲーム
「SIREN」(サイレン)以来の
絶望無限ループENDとなります🤣 
 
 有名なフレーズ「どうあがいても絶望」…
 
こうなると、ダークファンタジーどころか
もう、完全にホラーです😭
 
エヴァンゲリオンの影響も感じますね。 
 最終回まで後少し… 
 ネタバレに怯えながらネットを徘徊する日々が
続きそうです。
 
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